6月12日に亡くなった大田昌秀元知事の功績をたたえ、冥福を祈る県民葬(実行委員長・翁長雄志知事)が26日午後、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで催された。政府から安倍晋三首相と鶴保庸介沖縄担当相が出席した。大田氏が建立した平和の礎を模した祭壇のオブジェ(装飾)を前に、一般参列者を含め多くの人が最後の別れを惜しんだ。
安倍首相の追悼のあいさつ時には、一般参列者からやじが飛ぶ場面もあった。
翁長知事は式辞で、平和の礎建立や県公文書館開館、基地問題への対応などの大田氏の知事時代の功績を示し「沖縄の基地負担軽減が国政の場で取り上げられるようになったのは、間違いなく大田さんの決断によるものだ」とたたえた。県議会での大田氏との議論を挙げ「知事となった今、大変大きな財産になっている」と遺影に語りかけた。
その上で「われわれ県民は、大田さんが終生貫かれた『平和を愛する共生の心』の理念を受け継ぎ、未来を担う子や孫が心穏やかに笑顔で暮らせる沖縄を築き上げるため努力を続ける」と誓いの言葉を述べた。
安倍首相は追悼のあいさつで「大田元知事が心を砕かれていた沖縄の基地負担の軽減にも政府として引き続き全力を尽くしていく。沖縄の振興を前に進め、沖縄の明るい未来の構築にできるだけ貢献していくことを誓う」と話した。
行政代表から県市長会会長の古謝景春南城市長、経済界代表から県経済団体会議の石嶺伝一郎議長、友人代表として比嘉幹郎元副知事が追悼の辞を述べた。稲嶺恵一元知事や歴代県副知事、県選出国会議員、県議、鳩山由紀夫元首相、井戸敏三兵庫県知事らも参加した。
【琉球新報電子版】