安定した環境保って イリオモテヤマネコ保護で講演会


この記事を書いた人 大森 茂夫
イリオモテヤマネコの保護をテーマに開かれた講演会=29日、那覇市小禄の沖縄産業支援センター

 特定NPO法人「トラ・ゾウ保護基金」(東京都)の戸川久美理事長が29日、那覇市小禄の沖縄産業支援センターで「世界自然遺産登録とイリオモテヤマネコ保護の課題」と題して講演し、竹富町西表島に生息するイリオモテヤマネコの交通事故の現状や事故防止の取り組みを紹介した。

 戸川理事長は「イリオモテヤマネコにとって一番の脅威は交通事故」と指摘。昨年は7匹、今月に入っても1匹が交通事故死したという。それに対し、同NPO法人は夜間巡回のほか、観光客にカードを配布して注意を呼び掛けている。

 戸川理事長は世界自然遺産登録も念頭に「ヤマネコは20万年変わらない、安定した環境を頼りに生きている。生物多様性を守り、地域全体でいい環境を保ってほしい」と呼び掛けた。

 講演は大原中学校(竹富町)の同窓会設立に合わせて同窓会準備会が主催し、約30人が耳を傾けた。