鉄軌道4ルートで黒字転換  上下分離方式なら 検討委


社会
この記事を書いた人 志良堂 仁
鉄軌道導入に向け、複数ルート案を予測事業費などで定量的に比較した第6回沖縄鉄軌道技術検討委員会=31日午後1時半すぎ、県庁

 沖縄本島への鉄軌道導入について技術面から検討する沖縄鉄軌道技術検討委員会(委員長・兵藤哲朗東京海洋大教授)の第6回会合が31日午後、県庁で開かれた。那覇から名護を結ぶ7ルート案のうち、施設整備を公共で行う「上下分離方式」を採用すれば、「中部東・北部西=C案、C派生案」「中部東・北部東=D案、D派生案」の4案で開業後40年以内に累積資金収支が黒字転換するとの結果が示された。それ以外のルート案は累積赤字が拡大し続ける結果となった。

 1日利用者数の需要予測は、「中部東(北谷経由)・北部西=C派生案」で最も多い7・7万人となった。最も少ない予測で「中部西・北部東(恩納経由)=B派生案」で6・3万人となった。
 収支採算性は「中部東・北部西=C案とC派生案」で1年内、「中部東・北部東=D案」で開業後32年、「中部東(北谷経由)・北部東=D派生案」で29年で黒字転換の見通し。
 概算事業費は変動の可能性があるが、5200億~6100億円との見込みが示された。用地買収から始まる事業期間は12年~15年との概算結果が示された。
【琉球新報電子版】