「島桑の葉」血糖値を抑制 浦添市・沖縄高専研究グループが確認


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シマグワ葉パウダーが血糖値を抑えることを発表した(左から)伊東昌章沖縄高専副校長、松本哲治浦添市長、翁長盛正浦添市シルバー人材センター理事長=1日、浦添市役所

 【浦添】浦添市と沖縄工業高等専門学校(沖縄高専、名護市)などの「シマグワ(島桑)」研究グループが1日、浦添市役所で会見し、シマグワ葉から抽出したパウダーを食前に摂取することで血糖値の上昇を約20%抑え、インスリンの分泌を節減できたと発表した。研究グループは「糖尿病の予防におけるシマグワの有用性を示すものだ。シマグワ葉パウダーを配合した沖縄そばやパンなど糖質食品を開発し、沖縄の産業振興に貢献したい」としている。

 沖縄高専と浦添市、市シルバー人材センターなどで構成する研究グループは、県産のシマグワ葉の糖分解酵素活性阻害作用が本土産の桑葉より優れていることなどを発表してきた。今回は人を対象にした初めての実証実験を浦添市で実施した。

市販されているシマグワ葉パウダーと、パウダーを溶かした水

 市職員の健常成人15人(男性6人、女性9人)を対象に、砂糖水を摂取する前にシマグワ葉パウダーを溶かしたお湯を飲んだ場合と飲まない場合の血糖値とインスリンの変化を比較した。シマグワ葉パウダーを摂取した場合、砂糖水を飲んだ後の血糖値の上昇が平均して約20%抑えられた。それに伴い、インスリンの分泌量も約15%減少したという。

 シマグワでまちおこしを図ろうと、2009年に沖縄高専と連携協定を結んだ浦添市の松本哲治市長は「シマグワが今後さらに注目され、産業振興に寄与していくことを期待している」と強調した。

 沖縄高専の伊東昌章副校長は「沖縄特有の地域資源であるシマグワに関する研究を推し進め、沖縄の産業振興と健康増進に貢献していきたい」と話した。

 シマグワを栽培し、シマグワ葉パウダーを製造・販売する浦添市シルバー人材センターの翁長盛正理事長は「会員の思いが詰まったパウダーを使用していただき、うれしい」と述べた。

 浦添市、市シルバー人材センター、沖縄高専は「桑茶の製造方法」で特許を取得している。研究グループは18年に名古屋市で開かれる日本農芸化学会で研究成果を発表する予定だ。

 浦添市シルバー人材センターが製造しているシマグワ葉パウダー「てだ桑茶」は定価648円(税込み)。問い合わせは同センター(電話)098(943)0623。