米ニューヨークで活躍する沖縄県出身のプロのジャズギタリストがいる。北谷町育ちのジーン・シモサトさん(52)だ。3日から県内各地で公演しているシモサトさんは大人の色気を漂わせ、奏でる柔らかいギターの音色は観客を引き付けている。古里の地で約20年ぶりにギターを弾いたシモサトさん。「いちばん弾きたかった場所で演奏できたことに喜びを感じる」と語った。
14歳の時から基地内で結成したバンドでギターを担当し、ロック音楽やカントリーミュージックを弾いていた。17歳のころ、恋人の父親からもらったジャズのサクソフォン奏者、ジョン・コルトレーンのレコードを聴いて衝撃を受けた。「ニューヨークへ行ってジャズで生きていきたい」。人生が変わった瞬間だった。
1984年、ジャズギタリストの夢に向けボストンにあるバークリー音楽大学に進学。卒業後の91年にニューヨークへ行き、コルトレーンのバンドメンバーだったドラムのラシッド・アリさんと出会う。「アリさんは初心者だった私をステージに引っ張ってくれた。一流のジャズミュージシャンたちに囲まれながらギターを鳴らすことができた。緊張の毎日だったが一流の人たちの音を間近で聴きながらジャズを学ぶことができた」と振り返った。
95年、コルトレーンの息子のサックス奏者ラヴィ・コルトレーンさんらと共に沖縄公演を実現させた。「当時はテレビコマーシャルに出演したり、レコード会社から日本で活動しないかと言われたりした。でも自分の拠点はニューヨークという信念があったので断った」と語る。
2012年、5人組バンド「Fractal Attraction」(フラクタル・アトラクション)を結成。「これからは沖縄で頻繁に公演していきたい。本場のジャズを私の古里に届けたい」と笑顔で語った。(金城実倫)
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ジーン・シモサトさんのジャパンツアー沖縄公演は5日にうるま市のライブスポットEe、6日に那覇市のサウンドエムズで開かれる。開演時間は両日午後8時。チケットの問い合わせはhttp://gene-ess.com/