沖縄投資計画を表明 中国カジノ企業、3000億円


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カジノを含む統合型リゾート施設の整備で沖縄への進出意向を語る500ドットコムの潘正明CEO=4日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 ニューヨーク証券取引所に上場する中国のインターネットカジノ企業、500ドットコムの潘正明最高経営責任者(CEO)が4日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで会見し、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備で沖縄への投資を計画していることを明らかにした。

 翁長雄志知事がカジノ反対を公約していることから現状で実現は厳しい計画だが、2016年末に国会でIR整備推進法が成立したことを受け、日本進出を狙う海外のカジノ運営事業者の動きが沖縄にも及んでいる。

 同社は会見に先立ってシンポジウムを開き、IR実施法など今後の動きについて自民党の秋元司衆院議員が基調講演した。仲井真県政時代に県カジノ・エンターテインメント検討委員会委員長を務めた小濱哲氏(元横浜商科大教授)、公営ギャンブルであるボートレース(競艇)の経営に携わってきた笹川能孝氏(笹川経済支援機構代表理事)、自民県議の山川典二氏も加わってパネルディスカッションを展開した。

 会見で潘氏は「海南島、シンガポール、マカオに1億1千万人の中国人が訪れている。中国人の観光需要であるリゾート、買い物、カジノの3要素を、沖縄は一手に集約できる」と述べ、沖縄への投資規模は1500億~3千億円との見立てを示した。カジノのほかホテル、ショッピングセンター、会議場、劇場などが一体となった区域を国内企業とも提携して整備・運営していくとした。

 地元知事の反対姿勢については「反対の理由がどこにあるのかの議論ができて、問題解決すれば一緒に進めたい。ビッグデータやAI(人工知能)の先端技術を使った当社のギャンブル依存症対策は、日本でのIR事業に当たり優位性がある」と主張した。