高江の自然知って 初の写真絵本出版 宮城秋乃さん


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 やんばるの生態系に精通するチョウ類研究者、宮城秋乃さん(アキノ隊員)が初の写真絵本「ぼくたち、ここにいるよ 高江の森の小さないのち」(影書房)をこのほど、出版した。やんばるの森に広がる大自然と命の恵みを美しい写真とユーモアあふれる文章で紹介。東村高江に森を切り開いて造られた米軍新型輸送機オスプレイのヘリパッド(着陸帯)が固有の生態系にもたらす影響などについても切り込んでいる。

「ぼくたち、ここにいるよ 高江の森の小さないのち」
宮城秋乃さん

 「あえて高江という地名を出し、米軍の軍事活動が森に生きる多くの命を脅かしているかを伝えたかった」と話す宮城さん。世界自然遺産登録を見据えるほど世界的にも希少な生態系を育む環境がこれ以上、人為的に破壊されないようにとの願いを込めた。「写真絵本を通して森の生きものたちの魅力が伝われば、きっとみんなも、もっとやんばるの森を大切にしてくれるはず」と期待を寄せる。

ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、ホルストガエルなど、特別天然記念物や絶滅危惧種を含む70種類以上の生きものたちを全96ページ、オールカラーで掲載する。

 本体価格は税込み2052円。5日ごろから県内の書店などで販売する。問い合わせは影書房(電話)03(6902)2645。