タマン育つ海 大切に 児童放流、サンゴ植樹も 伊江漁協指導


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「おいしくなってね」と声を掛けながら一斉にタマンを放流する児童=7月20日、伊江漁港

 【伊江】伊江村漁業協同組合(八前隆一組合長)は7月20日、伊江村製氷所で、伊江小学校24人と西小学校の6年生25人を対象にタマン放流とサンゴの植え付けを指導した。伊江島漁業集落への国の補助事業と水産多面的機能発揮対策事業の一環で実施され、今年で7年目。

 県水産海洋技術センターの上原匡人さんは「タマンは25年くらい生きる。今日海に放すのは子どもで、80センチくらいまで大きくなる。4年目に卵を産む。4、5月に卵を産むのでしばらくは釣りを控えてほしい」と説明した。6年生はバケツに入ったタマンを「おいしくなってね」と声を掛けながら一斉に海に放流した。

 八前組合長は「魚の育つ環境づくりのためにサンゴの保全事業、ごみ拾い、オニヒトデなどの駆除などさまざまな活動をしている」と話した。

 国際航業の石田和敬(かずのり)さんは「サンゴは海の生き物のすみかだが、水温が高くなると死ぬ時もある」とサンゴの大事さを説いた。同航業の永田昭廣さんの指導で子どもたちは、サンゴの欠片をプレートに結束バンドと針金でしっかりと縛る作業をした。その後、伊江ビーチ沖にダイバーが植え付けた。

 伊江小学校の6年生の内間朱里さんは「サンゴの白化現象は知っていたが、何もできなかった。今日、サンゴの植え付けの手伝いが出来てよかった」と話した。(知念光江通信員)