【名護】かつて名護市内にあった映画館を復活させようと、映画をこよなく愛する名護市の有志の集まり「やんばるシネマ」がこのほど発足した。「やんばるに映画の灯を」と声を上げ、市内各地で映画上映会を開催する。将来の映画館復活を目指し、映画好きの会員らは熱い思いで奮闘している。
名護市では2005年に本島北部唯一の映画館「名護シアター」が閉館。10年以上、北部には映画館がない状態が続いている。映画を見るためには中南部に行く必要がある。7月に開かれたやんばるシネマの準備会では「名護から那覇に行くのも大変。バス代も高速代もかかる」「北部でいつでも映画を見られる環境を整えていきたい」との切実な声が上がった。
呼び掛け人の1人、豊島晃司さん(65)は「沖縄には優れた作品がたくさんある。名護の皆さんと一緒に映画を見られる環境をつくっていきたい」と熱意を込める。
豊島さんは「今まで、さまざまな人が名護市での上映活動を支えてきた。名護のみなさんと手を取り合って進めていきたい」と話した。今後の上映会は、ミニシアター系の配給会社とやりとりし、作品を決めていく考えだ。
第1回上映会は、27日午前10時から名桜大ホールで、スローライフを楽しむ老夫婦に密着したドキュメンタリー作品「人生フルーツ」を紹介する。全国でもアンコール上映が続く人気作品だ。9月には、原発の安全性をめぐり国や東京電力と対峙(たいじ)した佐藤栄佐久元福島県知事のドキュメンタリー作品「知事抹殺の真実」を上映する予定。前売り千円。当日1200円。大学生800円。小中高生500円。
上映作品や「やんばるシネマ」に関する問い合わせは豊島さん(電話)090(9081)1597。