共に登校 喜び詩に 「弟のランドセル」 成長ぶりを表現


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黄金と黒のランドセルを前に担ぐ金城翔大君(右)と孝哉君=西原町与那城のえくぼ児童クラブ

 【西原】沖縄県内の小中高生を対象に詩の作品を顕彰する「第15回神のバトン賞」(琉球新報社主催)で小学校高学年の部で選ばれた金城孝哉君(西原町立西原南小学校4年)は、弟の翔大(しょうた)君(同1年)が1年生になってランドセルを背負って一緒に登校できるうれしさを詩で表現した。タイトルは「弟のランドセル」。孝哉君は「おばあちゃん(金城藤子さん)の家で詩を書いた。詩を琉球新報に送ったのもおばあちゃんだから、おばあちゃんは喜んでいるかも」と笑った。

 翔大君は生まれつき心臓が悪く、2歳までに5回もの手術を受けたという。父親の秀和さん(47)は「孝哉は翔大が生まれた時のことを思い出して、でも今は成長したんだなと感じて書いたのかな」と語った。

 「ランドセルを選んだのはお兄ちゃん」という翔大君だったが、お母さんの千晶さん(36)によると「3人で買いに行って、いろいろ選ばせました。最終的に黄金と黒のものに決めたのは翔大です」と笑う。「翔大が1年生になりランドセルを選ぶというのは、私たちにとっては特別なことで、大きな節目でした。だから家族にとって、孝哉が書いた『体のよわい弟だから』という1行には大きな思いがあるんです」と話す。「子どもたちは、おばあちゃんや浦添のひいばあちゃんなどたくさんの人に囲まれて育ててもらってとてもありがたいです」と感謝の気持ちも話した。
(小波津昭子通信員)