鍵は子どもの「立ち直り力」 「沖縄の宝」シンポ、貧困、不登校など討議


この記事を書いた人 アバター画像 与那嶺 明彦
子どもの「立ち直り力」をキーワードに討議するシンポジウム=12日、浦添市てだこホール市民交流室

 学びのシンポジウム「子どもは沖縄の宝だ 立ち直り力(レジリエンス)を育てる地域の輪」(放送大学沖縄学習センター主催、琉球新報社共催)が12日、沖縄県の浦添市てだこホールで開かれた。4人の識者が貧困、不登校、問題行動など子どもが抱えるさまざまな課題について、立ち直り力(レジリエンス)をキーワードに討議した。

 浦添市教育委員会指導部長の平良亮さんが不登校になった児童が小中アシスト相談員らの支援で復学した事例を報告。立ち直り力を形成するには、大人が粘り強く子どもと信頼関係を築くことが重要だと説いた。

 元那覇家庭裁判所次席家裁調査官の江頭重宏さんは、調査官時代の実践例を通して、子どもが自信を持つ自己効力感を育てることの必要性などを挙げた。

 子どもの貧困問題の取材を続ける琉球新報文化部教育班キャップの黒田華記者は、学校の役割の重要性を指摘。教師の多忙感が増す現状にも触れ「学校に予算を投じ、場を整えていくことを社会の共通理解にする必要がある」と訴えた。

 琉球大学法文学部人間科学科教授の本村真さんは、子どもには受容される体験や、「できた」ことの体験が必要だとし「学力という狭い幅の『できた』ではなく、多様性の『できた』を認めることが必要だ」と説いた。