石川高校、逆転29年ぶりV 中部商に5―4 県新人野球


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石川―中部商業 9回中部商業2死一、二塁 二塁手山田大悟の好返球で相手走者を刺す石川の新島練真捕手=13日、宜野座村野球場

 高校野球の第44回沖縄県新人中央大会は13日、宜野座村野球場で決勝までを行い、石川が5―4で中部商業に逆転勝ちし、29年ぶり2度目の栄冠を手にした。3位決定戦は沖縄工業が10―0で沖縄尚学に七回コールド勝ちした。今大会の4強には第67回県高校野球秋季大会(9月9日~10月8日)のシード権が与えられる。

◆全員で守り切る/九回同点の危機 好中継、阻止成功

 池宮城朗監督が「何を言っても聞かない宇宙人集団」と手を焼く石川ナインは、五回までに4点のリードを許すも、指揮官の指示を実行し、中盤から相手投手のタイミングを捉えて逆転した。守っては二塁手山田大悟がファインプレーを連発。5―4で迎えた九回2死一、二塁、中部商業の中前打を中堅手比嘉優斗の中継に入り、「どストライク」(新島練真捕手)の好送球で中部商業の同点を阻み、接戦に終止符を打った。

 勝機を得るまで時間がかかった。相手投手の速球に慣れず、突っ込むようなスイングで凡退。三回、雷雨で一時中断した際、池宮城監督が修正点を挙げると「いつも話を聞かない選手たちが耳を傾けている。勝ちたい思いを感じた」。

 その期待はすぐに現れた。相手投手のタイミングを捉えると六回に渡慶次佑、伊波和輝の適時打で2点。八回には再び渡慶次が適時打を放ち、その後に新島が走者2人を返す逆転弾を放った。

 山田の出足の速い守備は、追う展開でもチームに前を向かせた。大会前、スローイングの技術不足を厳しく指摘され猛特訓した。山田は「監督の愛のある指摘のおかげ」と照れくさそうに語った。好守で勝利に貢献した新島は「これからも一戦一戦勝ち上がり甲子園を目指したい」と、優勝を自信に変える力強い言葉で締めた。(嘉陽拓也)