「〝自分を大切に〟は自己責任論」 Colabo仁藤夢乃代表 支援者集い学習会


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自身の経験を基に支援する際の接し方などを語る仁藤夢乃さん=16日、宜野湾市男女参画支援センターふくふく

 貧困や性暴力などを背景に「売春」に追い込まれた過去を持つ少女たちの思いを伝える企画展「私たちは『買われた』展 in Okinawa」。18、19の2日間、沖縄で開かれ、多くの人が訪れた。16日には、沖縄県内で子どもや女性の支援に携わる関係者を集めた学習会もあり、居場所を失って搾取されやすい少女たちの支援を続ける団体「Colabo(コラボ)」代表の仁藤夢乃さんが講師を務めた。

 仁藤さんの出会ってきた少女たちやコラボのことを知り、それぞれの活動につなげてほしいと同展実行委員会が開き、約50人が参加した。

 仁藤さんは「自分を大切に」という大人が言いがちな言葉を挙げ、「幼い頃から『産まなきゃよかった』などと言われ続けた子は自分を犠牲にする生き方しか知らない。そんな子に『自分を大切に』というのは説教だし自己責任論」と指摘した。「必要なのは特別な支援ではなく当たり前の日常。子どもにとって大人は環境問題」。信頼できる大人との出会いが大切だとの訴えには多くの参加者がうなずいていた。

仁藤夢乃さんの話に聞き入る学習会参加者たち

 仁藤さんは、搾取される側の女性に注意を促すような啓発サイトの「ずれた感覚」や、公的保護機関での対応に嫌な思いをした子が多いことも紹介。コラボでは食事・物品の提供、一時シェルターなどの支援を行っており「女の子同士の横のつながりを大事にしている」「一緒に食事をすることが『相談』のハードルを下げる」などと語った。

 参加した国仲瞬さん(「がちゆん」代表)は「個人の問題ではなく、周囲が無意識につくり出している加害の構造に目を向けないといけない」と感想を語った。