米ジュゴン訴訟、原告適格認める 控訴裁が地裁に審理差し戻し


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名護市の嘉陽沖合で撮影されたジュゴン=2008年7月、名護市

 名護市辺野古での新基地建設が国指定の天然記念物ジュゴンに影響を与えるとして、日本環境法律家連盟(JELF)や生物多様性センターが米国防総省に同法を順守するまで工事を中断するよう求めた米ジュゴン訴訟控訴審で、米サンフランシスコ第9巡回控訴裁判所は現地時間21日、原告適格を認める判決を下した。原告の訴えを退けた一審のサンフランシスコ連邦地裁の判決を覆し、審理を地裁に差し戻す判断を下した。

 原告は米国家歴史保存法を根拠に米国はジュゴンを保護する義務があると主張し、新基地建設の差し止めを求める訴訟を起こしたが、同連邦地裁は2015年2月、辺野古新基地建設工事は外交・政治問題であり「基地建設を禁じる権限を持たない」と原告の訴えを棄却していた。

 今後、新基地建設工事の差し止めにも影響する可能性がある。

 原告側の籠橋隆明弁護士は今後、米国側が最高裁に上告する可能性を指摘した。【琉球新報電子版】