タウナギ12匹捕獲 絶滅危惧種 13年に旧泡瀬ゴルフ


この記事を書いた人 琉球新報社
タウナギ(資料写真)

 北中城村泡瀬土地区画整理事業に伴い、2013年に米軍泡瀬ゴルフ場内の人工池で絶滅危惧種のタウナギの個体群が見つかっていたことが23日までに分かった。現在、土地区画整理事業組合が委託したうるま市の環境コンサルティング会社が飼育している。21日に宜野湾市で開かれた県環境評価審査会(宮城邦治会長)でタウナギの取り扱いを審査した。

 見つかったタウナギは12匹で、13年7月に12匹を捕獲した後、8匹が飼料や環境変化に適応できずに死んだ。自然への放流によるタウナギ保存が望まれるが、県と事業者は放流先を決めていない。

 審査会で県環境部は4匹のタウナギを事業区域内に造られた調整池に放流する案などを説明した。これに対し、宮城会長は「調整池は洪水調整用で、タウナギ保存のためのビオトープではない。県内他地域への移植も含めて事業者と調整してほしい」と求めた。

 沖縄在来種のタウナギは水田や池、沼の消滅や観賞用としての乱獲で個体数が減少。環境省は絶滅危惧1A類(レッドリスト)に分類し、近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高いとしている。