白保サンゴ守りたい 筑紫女学園大 月桃茶、福岡で販売へ


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花城芳藏理事長(前列右)に売り上げ約5万6千円を寄贈する筑紫女学園大学の撰田奈南子さん(前列左)や上村真仁准教授(後列左)ら=21日、石垣市白保のしらほサンゴ村

 【石垣】石垣市白保のサンゴ礁の保全に役立てようと、筑紫女学園大学(福岡県太宰府市)の学生らは、白保の轟川流域で栽培されたゲットウを使った月桃茶の販売を9月から太宰府で始める。ゲットウは赤土流出防止のために畑の周囲に設けられたグリーンベルトに植えられたもの。販売を通じて白保のサンゴ礁保全の発信などにつなげたい考えだ。

 販売する月桃茶は、白保の自然・文化保全や町作りなどに取り組むNPO法人夏花(なつぱな)が、農家からゲットウを買い取り製造している。販路拡大を支援することで、サンゴ礁保全へ農家が協力しやすい態勢をつくりたい狙いもある。

 同大には2016年3月まで、しらほサンゴ村のセンター長を務めていた上村真仁准教授が在籍。夏花と上村准教授のゼミ生が中心のメンバーが連携したプロジェクトの一環で、太宰府での月桃茶の販売が決まった。

 プロジェクトは16年7月から開始。生徒らは同年10月からことし7月にかけて、九州各地の環境イベントや大学生協で随時、月桃茶を試験販売してきた。

 サンゴ村で21日に開かれたプロジェクトの報告会で、同大3年の撰田奈南子さん(21)がプロジェクトの経過や大学内で実施した試飲会でのアンケート結果などを説明した。今後、太宰府の畳屋の一角で販売を定期的に行うと報告した。撰田さんは「白保の海も、白保の人の生活も守っていきたい」と取り組みへの思いを語った。

 上村准教授は「販路の拡大など高いハードルはあるが、この取り組みで白保や石垣島のサンゴ礁の問題を発信できるという意義がある」と話した。

 夏花は石垣島で7月から月桃茶を「香典返し」として販売しているが、売り上げはまだ厳しい状況だという。夏花の花城芳藏理事長(73)は「販路の確保が難しい中、このように本土で販売してくれるのは非常に心強い」と歓迎した。