「仕事と家庭の調和が課題」 元奨学生の弁護士講演


この記事を書いた人 平良 正
ディスカッションで意見を述べる當眞正姫弁護士(右)と川崎幸治弁護士=27日、那覇市ぶんかテンブス館

 琉球大学法科大学院の学生向けに給付型奨学金を実施している「鎌倉フェローシップ」(北谷町)は27日、沖縄での女性の活躍や貧困問題などについて考える講演会を、那覇市ぶんかテンブス館で開いた。現役弁護士2人が登壇し、弁護士を目指す学生ら約10人が耳を傾けた。

 鎌倉フェローシップの奨学生だった當眞正姫(まさひめ)弁護士(44)は、子ども2人を持ち、沖縄市に事務所を構える。講演では、沖縄は共働きが多いが、家事や育児は女性が担うという価値観が根強いと指摘。「仕事と家庭の調和をどう取るかが課題だ」と話した。

 弁護士について「沖縄は数が少なく、個性が重視される。地域に密着した仕事だ」と魅力を語った。

 那覇市に弁護士事務所を構える川崎幸治弁護士(38)は、裁判官が知りたいことと、依頼者が伝えたいことにずれがあることが多いと明かし「依頼者の気持ちをくみ取って、裁判官の知りたいことに重点を置いて伝えていくことが大切」と述べた。

 講演後のディスカッションでは、県内の子どもの貧困率が全国平均と比べ高いことや、離婚後の養育費が支払われないケースが多いことなどが紹介された。

 鎌倉フェローシップの奨学金は2004年に始まり、年間1~3人を対象に、これまで18人が給付を受けた。そのうち5人が弁護士として活躍している。