キングス、猛追及ばず Bリーグ、プレシーズンマッチ


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第4Q、ドリブルで切り込んでシュートを決める琉球の田代直希=27日、沖縄市体育館(大城直也撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは27日、沖縄市民体育館で富山グラウジーズとのプレシーズンマッチを行い、78―81で敗れた。

 26日の富山戦では87―70で勝利していたキングスだが、第1クオーター(Q)から攻守の連係がうまくいかず大量リードを許した。後半は田代直希らの活躍もあり、第4Qで残り2点差に詰め寄ったが、あと一歩及ばなかった。

 開幕前の調整段階で勝ちと負けを経験したキングスは、課題をさらに洗い出し、新シーズンに向かう。

富山グラウジーズ
81―78(22―11,25―23,13―19,21―25)
琉球ゴールデンキングス

 【評】キングスは第1Qから攻守でスムーズな連係できず11―22と離される。第2Qは立て続けの3点弾で勢いをつかみかけたが13点差を追う展開。田代直希のハッスルプレーなどで第4Qに2点差まで詰めたが勝負どころでシュートが決まらず、流れを変えられなかった。

細かい部分を修正へ

 佐々宜央HC(キングス)の話 相手が対応する先のことまで考えていたが守備から崩れ、序盤から攻撃も足が止まる時間も長かった。最後はクロスゲームでうまくいった部分もあるが、試合を通して細かい部分の修正が必要だ。開幕戦は(選手と共に)必ず勝利を分かち合いたい。

琉球の速攻減らせた

 ミオドラグ・ライコビッチHC(富山)の話 26日の試合後のミーティングで話をした「ディフェンストランジションを素早くすること」「ターンオーバーを減らすこと」が実行できたことで、琉球のファストブレイクを減らすことができた。

田代 第4Q攻守に躍動

 

 新体制で初の敗北を味わったキングスだが、前半に大量リードされても最終盤にはクロスゲームに持ち込み、最後まで粘り強いプレーでファンを沸かせた。熱い応援を続けたファンに佐々宜央HCは「良くない試合の中でも最後まで食らいついた選手を褒めたい。開幕は必ず勝利を分かち合いたい」と宣言し、敗戦を糧にすることを誓った。

 26日は激しい重圧を掛けた守備で序盤から流れをつかんだ。一夜明けたこの日、対策を練ってきた富山グラウジーズに守備の裏を狙われた。「対策されるその先まで考えていたが、やられてしまった」(佐々HC)。攻撃もピックアンドロールを外されると、チームとしての練習時間の短さもあって、次の展開を表現できずにボールと足が止まる。前半は34―47と苦しい展開だった。

 だが、粘り強さがここから発揮された。ニノ宮康平とアイラ・ブラウンの連係攻撃やオールコート守備でじわりじわり点差を詰めると、第4Qで田代直希がハッスルした。仲間とのパスワークから流れるように3点弾を沈め、守備でも相手のリバウンドを防ぐ活躍ぶり。その勢いで残り2分を切って2点差まで追い上げたが、正念場でゴールが決まらずに勝利を逃した。

 プロ2年目の田代は「最後に追い上げられたのはチームとしてプラスになった」と話す。開幕まで約1カ月。「一日一日大事に頑張っていくだけ」と新シーズンに向け気持ちを引き締めた。(嘉陽拓也)