違法残業、54%の企業で確認 沖縄労働局16年監督指導 「観光客増で人手不足」 全国より11ポイント高く


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 沖縄労働局は31日、2016年度の長時間労働について重点監督指導した結果を公表した。長時間労働が疑われる226事業所のうち78・8%の178事業所で労働基準関係法令違反があった。違法な時間外労働は54・0%の122事業所で確認され、全国よりも11ポイント高かった。月200時間超の長時間労働があったのは5事業所あった。200時間超はコールセンターの派遣業と商業の店長で確認された。あるホテル業者では250時間超の違法な時間外労働となっている。

 労働局の担当者は、長時間労働が発生している業態について「観光客が増えたが、人手不足で対応できず、長時間労働を余儀なくされているようだ」と指摘している。

 違法な時間外労働があった122事業所のうち月80時間超は63・1%の77事業所だった。月100時間超は50・8%の62事業所、150時間超は13・1%の16事業所あった。

 長時間労働での業種別の違反率は、接客娯楽業が最も高く75・0%、次いで建設業64・7%、運輸交通業57・7%、商業57・4%と続いた。

 監督指導した運送業者は、全労働者の約22%の16人が、時間外労働をさせるのに必要な「三六協定」で定める上限時間を超え、最長228・8時間と月100時間超の違法残業を行わせていた。

 あるホテル業者には、長時間労働が原因だとして脳・心臓疾患で労災請求があり、立ち入り調査に入った。三六協定の特別条項の限度時間を超えて違法な時間外労働をさせていた。労災申請者以外の労働者9人も、繁忙期には最長で月142・5時間と月100時間超の違法な時間外労働があったことも立ち入りで分かった。

 今回重点監督指導した長時間労働以外の法令違反は、賃金不払い残業が13・7%の31事業所あった。過重労働による健康障害防止措置が未実施の事業所は14・2%の32あった。