保良鉱山に弾薬庫 宮古陸自配備 防衛省、最有力候補


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陸上自衛隊配備計画で、弾薬庫の候補地となっている保良鉱山=7月、宮古島市城辺保良

 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、ミサイルを保管する弾薬庫の設置場所に市城辺保良(ぼら)の「保良鉱山」が有力候補となっていることが6日までに、複数の政府関係者への取材で分かった。防衛省は同保良にあるゴルフ場も候補地の一つにしていたが、市内の陸自配備賛成派の求めによって保良鉱山を最有力地とした。同省は10月下旬の市議会議員選挙への影響を考慮し、市議選後に公表するとみられる。鉱山の経営者と保良部落会長は賛否を明らかにしておらず、地元の対応によっては計画の進捗(しんちょく)に影響が出る可能性がある。

 防衛省は当初、市平良の「大福牧場」周辺に弾薬庫を含んだ駐屯地を建設する計画だった。

 だが周辺は地下水保全区域に当たり、下地敏彦市長が地下水源への影響を懸念して反対したため断念した。

 複数の政府関係者によると、鉱山は地下水保全区域外に位置し、面積も6千平方メートル以上あり、地権者は経営者の親族ら比較的少人数のため土地の売買交渉に手間取らないと踏んだ。

 一方、防衛省は市城辺保良のゴルフ場も候補地の一つとして検討していた。だが市内の配備推進団体が「(千代田も含め)ゴルフ場が二つもなくなってしまうと、冬場の観光需要に影響が出る」と反対する意志を同省へ伝えた。

 鉱山を運営する宮古総合開発の砂川武雄社長は「何も聞いておらず驚いている。どう対応するか何も考えていない」と述べた。保良部落会の砂川辰夫会長は「何も打診がない。何とも言えないが、まずは説明会を開催してもらわないといけない」と話した。

英文へ→Defense ministry eyes Bora mine as likely site for ammunition depot in GSDF deployment to Miyako