沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は8日、ひとり親家庭の親の創業を支援できるように融資対象を拡大した「挑戦支援資本強化特例制度」(資本性ローン)の適用第1号として、ゴールドアックス(那覇市、池宮城聡社長)に500万円を融資したと発表した。
最終期限に一括償還する資本性ローンは月々の返済がいらず金融検査上は自己資本としてみなされるため、過小資本で資金繰りに行き詰まらないよう創業時の財務体質の支援につながる。
ゴールドアックスは1月に設立し、光回線サービスへの加入を勧めるコールセンター業務を手掛ける。6月から事業を始めており、今後、従業員30人程度の採用を想定している。沖縄公庫はひとり親家庭の親の創業に加え、同じようなひとり親の採用や人材育成に取り組む方針を評価した。
4人の子を育てながら新規開業した池宮城社長は「資本性ローンでゆとりを持って人材の教育に当てることができる。短時間勤務など育児しながらでも働きやすい勤務条件を提示しながら、保育園や学童に子どもを預けられない時にも気軽に連れてこられるような職場づくりに取り組みたい」と語った。
沖縄公庫融資第二部ひとり親支援担当の安慶名忍上席調査役は「コールセンターの開業では先行投資的に人件費が発生するので、長期融資により資金繰りの安定につながる」と述べた。
沖縄公庫は子どもの貧困対策の一環で今年4月から、新規開業を目指すひとり親家庭の親を支援するため、沖縄創業者等支援貸付と資本性ローン制度の融資対象を拡大していた。