教育

やりたいことをやる 学び続けて未来を開拓 リュウキュウフロッグス

 「すごく今、感動している。自分のなりたい人物像がここにある」。8月17日、米カリフォルニア州シリコンバレーにあるウェブ大手グーグルで働く内藤弘朗さんらの話を聞き、川満歩貴さん=琉大3年=が涙を流した。

 沖縄の学生を選抜し、最先端技術を使った革新的なサービスが生まれるシリコンバレーに送って世界で活躍する人材を育成するRyukyufrogs(代表理事・比屋根隆レキサス社長)。9年目のことしも現地で起業家、投資家など30人以上の社会人に会い、それぞれの生き方、仕事への思いを聞いた。研修日程を過ごす中「『本当に、自分もいつか起業するのか?』と疑問が心にひっかかるようになった」と言う川満さん。「家族を大事にしながら、自分の生活を面白くするものを創りたい」と語った内藤さんの働き方を「身近に感じた」と言う。


グーグル本社敷地を案内する内藤弘朗さんの話を聞くRyukyufrogsの9期生=8月17日、米カリフォルニア州マウンテンビュー

 「ここで会った人の中で、誰か一人、メンター(導いてくれる人)が見つかって交流が続けばいい」。昨年8期生として研修に参加し、今年は引率に加わった畑中ひらりさん=琉大4年=は、選抜生が発する言葉や質問を、時折、去年の自分を思い出しながら見守る。

 「どうして起業しようと思うのですか」「失敗した時、どのように自分を持ち直すのですか」

 1日2、3カ所の訪問先で選抜生がする質問は、人生の選択や挑戦することへの恐怖について聞くことも多かった。返ってきた答えに共通していたのは「やりたくないことを続けて人生を終えるより、やりたいことをやる」という思い、社会人になっても学び続ける努力や楽観的な態度。その先に新しいサービスの誕生や転職、起業があり、それを当然とする地域の風土があった。

 10日間の研修の終盤、これまで9年Ryukyufrogsを見てきた山崎暁さん=Ryukyufrogsゼネラルオーガナイザー=は「沖縄に帰ってから、ここで得た刺激を意識として保ち、上を目指し続けることは難しい」と9期生に伝えた。

 「国際社会のことを大学で学んでどうするの? 教養なんて大人になってからも身につけられる」「民間で働いていない地方の先生にキャリア教育なんて教わりたくないよ」。現地で会った社会人に、現在の学びや将来の夢を話して言われた言葉に肩を落とした選抜生もいる。

 9期生7人が半年でどれだけ悩み、行動するか。帰国後の今もRyukyufrogs選抜生は進化の途中にある。
(東江亜季子)



 民間の人材育成事業「リュウキュウフロッグス」(代表理事・比屋根隆レキサス社長)は、8月13日から23日まで、シリコンバレー研修を実施した。同事業は、社会課題を解決するノウハウと技術、起業家精神を身に付けた「ハイブリッド人財」の育成を目的とする。選抜学生は約半年間、課題解決に向けての考え方や英語を学び、自身のサービス案を構築して、12月、成果発表会「リープデイ」の舞台に立つ。