友人のもうけ話疑わず 「名義貸し」被害500人に 借金40万「自分が悪いが、つらい」


この記事を書いた人 大森 茂夫

 大学生や20代の若い世代を狙った「名義貸し」の被害が沖縄県内で広がっている。「金を借りるだけで謝礼がもらえる」などと友人・知人から県内在住の男性を紹介され、消費者金融などで借り入れた金を男性に渡したところ返済が滞り、名義を貸して数十万~百数十万円の借金を負う被害者が少なくとも500人に上るとみられる。

 6~8月までの間、県警に同様の事案に関する相談が約40件、県消費者センターには昨年1月から今年9月上旬までに31件の相談があった。多数の被害が表面化の途上にある。この事態を受け今月、沖縄弁護士会の有志らが「沖縄名義貸し事件被害弁護団」(団長・折井真人弁護士)を立ち上げ、説明会を開くなど救済措置を講じている。

■ 「金預け報酬」

 複数の被害関係者によると、友人や知人から「事業への投資で資金集めをしており、借り入れた金を預けると報酬がもらえる」と話が持ち掛けられ、男性を紹介された。男性と直接話すなどして合意すると、電話や無料通信アプリ「LINE」などで指示されて消費者金融から金を借り入れ、キャッシングカードを預けた。借り入れの限度額を上げるためアルバイト収入を多めに報告することや、複数の消費者金融に行くよう指示を受けた人もいた。

 その後、報酬として借入金の1割を紹介者と折半し、男性からは「半年で返済する」と説明を受けた。当初は返済があったが、7月ごろから滞り始めたという。8月に入り、男性側から自己破産申し立て手続きをしたとの通知文書が一斉に届き、事態が発覚。県内各大学や県警、消費者センターなどに寄せられる相談が増えた。県警によると、話を持ち掛けた男性については、相談者のほとんどが同一人物の名前を挙げているという。

■ 相談会に100人

 40万円の負債を負った女子大学生は「疑わなかった自分が悪いということもある」と前置きしつつも、「何で今お金を返しているんだろうと思ってしまう。自分のために使えないのがつらい」とうなだれた。別の男子大学生は、友人が毎月返済を受けていると聞いて同意した。「今振り返ると、何の疑いもせずにお金を渡したのはとても怖いことだったと思う」と話した。

 10日、名義貸し事件被害弁護団による無料説明会・相談会が那覇市松尾の沖縄弁護士会館で開かれ、20代男女や保護者などの相談者が約100人集まった。弁護団が借り入れた金の支払い義務や、二次被害への注意などについて説明。折井弁護士は「被害実態を把握するために情報提供と相談会への参加をお願いしたい」と話し、速やかな対応を呼び掛けた。無料相談会は24日と10月8日の午後2時から、沖縄弁護士会館で行われる。(真栄城潤一)