沖縄県が2015年度に実施した海岸漂着ごみの調査の一環で、県内沿岸の甲殻類を調べたところ、国の天然記念物オカヤドカリ類の体内から高い濃度のポリ塩化ビフェニール(PCB)が検出されていたことが19日、分かった。県は有害物質が体内に取り込まれた経緯は分かっていないが、ごみの多い海岸ほどオカヤドカリの筋肉・内臓から高い濃度のPCBが検出されたため、プラスチック由来の影響である可能性を示した。
県は前年度までの調査結果を踏まえ、本年度は海岸漂着物に含まれる有害物質や生物に与える影響などを詳しく調べる。
19日に那覇市久茂地の沖縄タイムス本社ビルの会議室で開かれた17年度第1回県海岸漂着物等対策推進協議会(山口晴幸座長)で明らかになった。
多良間島や伊江島などでムラサキオカヤドカリの筋肉および内臓、ナキオカヤドカリの内臓を調べた結果、プラスチックの含有成分や重金属元素などが検出された。山口座長は「餌と誤ってプラスチックごみを食べた可能性がある」と述べ、原因究明とごみ発生抑制対策の強化が急務と指摘した。
県は本年度、地域計画に基づき海岸漂着物に含まれる有害物質の影響のほか、宮古諸島と八重山諸島を中心に、ごみの微粒子「マイクロプラスチック」の影響についても調査する。