【読谷】沖縄戦で住民が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた、読谷村波平の自然壕チビチリガマが少年によって荒らされた事件を受け、読谷村の石嶺伝実村長らは20日、読谷村役場で会見を開いた。
石嶺村長は「少年たちの軽率な行為は、語り継いできた平和教育が彼らの心に届いていなかったことを意味し、残念でならない」と述べた。その上で「より一層平和行政へ取り組み、同じ過ちを2度と繰り返さないようチビチリガマの惨劇を語り継ぎ平和を強く希求していく」との声明を発表した。
村は今後ガマ周辺に防犯カメラを設置することも検討している。
チビチリガマ遺族会の与那覇徳雄会長(63)は「遺族関係者は3度殺されたという気持ちだ。事件の概要や捜査の進ちょく状況を見ながらガマの管理についても検討していきたい」と述べた。
松田平次教育長は「教育者として遺族に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだ。事件を機に、いま一度平和教育、道徳教育、生徒指導について反省したい」と述べた。
遺族会は15日に壊された千羽鶴や額などの被害届を提出した。今後、遺骨やびん、「世代を結ぶ平和の像」についても追加で被害を届け出る予定。【琉球新報電子版】