地元沖縄のファン「頭真っ白」 安室さん引退表明 時代築いた歌姫にねぎらい


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沖縄サミット歓迎レセプションで熱唱する安室奈美恵さん=2000年7月、那覇市

 沖縄県出身の人気歌手・安室奈美恵さんが20日、自身の公式ホームページで来年9月に歌手活動を引退することを発表した。この日は安室さんの40歳の誕生日。CDの売り上げが100万枚を超える数多くのヒット曲を生み出してきた安室さんの突然の引退表明に「信じられない」「なぜ」と県民の間でも衝撃が走った。1990年代後半には安室さんのファッションをまねた「アムラー」が流行。社会現象を巻き起こす時代の歌姫となった。識者からは「世代を超えて県民が尊敬する存在」と安室さんをたたえる声が聞かれた。

 安室奈美恵さんが来年9月に引退することを発表したことを受け、故郷沖縄では各地でファンに大きな衝撃が走った。

 本紙取材で引退の事実を知った佐喜真まどかさん(32)=那覇市、会社員=は「えーっ」と口元を手で押さえ、驚きの表情を見せた。16、17日に宜野湾市で行われたデビュー25周年記念ライブには学生時代の友人と足を運んだ。「改めてファンになったばかりだったのに。非常に残念」と声を落とした。中国から観光で那覇市を訪れていた20代男性は「日本人女性ボーカルとして、中国でも一線を画す存在だった」と引退表明を惜しんだ。

 安室さんの熱烈なファンで25周年の記念ライブに足を運んだ神谷好さん(26)=八重瀬町、会社員=は「まだライブの余韻に浸っている中、信じられない。ダンスはアスリート並みなのに、体力の限界なのか」と残念がった。

 「今初めて聞いて、頭真っ白です」とショックを隠せない山崎麻子さん(39)=沖縄市、会社員=は安室さんと同年代で、学生時代にはアムラーブームも巻き起こったことを振り返る。好きな曲は「一つに決められない」というが、産休を経た復帰後の「リスペクト・ザ・パワーオブ・ラブ」では「復帰がうれしくて思い出深い」と語った。「沖縄の歌姫であり、トップランナーとして走り続け、すごい重圧だったと思う。ゆっくり休んでほしい」とねぎらった。

 引退の報を聞き「えっ」と驚いた宮古島市の高校生・塩川大翔さん(17)は「沖縄のスターなのでびっくりした。自分的にはまだまだ頑張ってほしい」と引退を惜しんだ。

 デビュー25周年記念ライブに2日間とも足を運んだ南風原町の女性(32)=会社員=は「憧れで私にとっての“ヒーロー”。ショックで何も考えられないけど、安室さんの幸せを願っている」と言葉少なに語った。