永井隆平和賞 新垣さん(KBC未来高)最優秀 祖母の沖縄戦つづる


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 新垣花南さん

 自らも長崎で被爆しながら被爆者医療に尽力した故永井隆博士にちなみ「愛」や「平和」をテーマにした作文や小論文を表彰する「第27回永井隆平和賞」(島根県雲南市など主催)の高校生の部で、沖縄県那覇市のKBC学園未来高校2年の新垣(しんがき)花南さん(16)が最優秀賞に選ばれた。全国327点の応募があった。8月下旬に結果発表があり、9月10日に雲南市で授賞式があった。

 同コンテストでは、中学生の部で、渡嘉敷中学校3年の金城ひよりさん(15)も2位相当の優秀賞に輝いた。中学生の部には130点の応募があった。

 新垣さんの作文のタイトルは「命のバトン」。沖縄戦で航空機の機銃掃射で友人を失った祖母の体験を通して、戦争体験を次世代に語りついでいくことの大切さを訴えた。「戦争体験者が亡くなっていく中で、戦争(の悲惨さ)を伝えていかなければならない」と自身の思いを語った。

 宜野湾市に住む新垣さんは、作文で普天間飛行場を離着陸する米軍機の騒音で、学校の授業や家族の会話が中断されることもつづった。新垣さんは「祖母も口にはしないが(米軍機の騒音が)沖縄戦を思い出させているのでは」と思いをはせた。提出までの1カ月間、推敲(すいこう)を重ねた。「受賞には驚いた。これからは弁論などにも挑戦し、沖縄戦を伝えたい」と意気込んだ。