県がパラシュート降下訓練で抗議 富川副知事「日本の安全保障体制に影響を与える」 沖縄防衛局長「訓練実施は遺憾」


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嘉手納基地で米軍がパラシュート降下訓練を強行したことを受け、外務省沖縄事務所の川田司沖縄担当大使(中央)、中嶋浩一郎沖縄防衛局長(右)に抗議文を手渡す富川盛武副知事=21日午後1時30分すぎ、県庁

 米軍が21日朝に米空軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練を強行したことを受け、富川盛武副知事は同日午後、川田司外務省沖縄担当大使と中嶋浩一郎沖縄防衛局長を県庁に呼び、抗議した。

 降下訓練はSACO(日米特別行動委員会)合意で、伊江島補助飛行場で行われることになっている。それ以外の場所での実施は「例外的」な場合にのみ認められるが、米軍は21日、今年既に3回目となる嘉手納基地での降下訓練を強行した。

 県や周辺自治体、政府が米軍に嘉手納への降下訓練を実施しないよう求めていた。

 抗議で富川氏は「再び訓練を強行した米軍の姿勢はSACO最終報告の趣旨や地域住民を軽視するもので強い憤りを禁じ得ない。県民の不信感はこれまでになく高まっており、今後の嘉手納飛行場の使用、ひいては日本の安全保障体制に影響を与えるものと危惧する」と強調した。

 中嶋氏は「(伊江島以外での実施が認められた)例外的な場合と判断することは困難だと政府としても考えている。訓練が実施されたことは遺憾だ」と述べた。【琉球新報電子版】