教室内35度超も 熱中症続出の糸満市、クーラー設置進まず


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 【糸満】クーラーの設置が進んでいない沖縄県糸満市内の小中学校の9月の教室の室温が平均30度を上回り、最高で35・1度の学校もあることが20日、分かった。35年前、国の予算で全館クーラー設備で校舎を建設したが、「電気代が高い」という理由でクーラーを使用していない学校もあった。安谷屋幸勇教育長は「空調の整備計画を進めている。年次的に劣悪な状況を改善したい」と答弁した。

 市教育委員会は、温度計と湿度計がある学校で9月1日から14日まで教室の気温を調べた。光洋小の教室の平均気温は32・92度、最高34・7度。三和中は平均31・38度、最高35・1度だった。同日開かれた市議会一般質問で、菊池君子市議(共産)の質問に答えた。

 糸満市は今年4月、市内10小学校の1年生19クラスでクーラーを設置した。しかし、普通教室のクーラー設置率は小学校で29・1%、中学校は1・2%で、県内小中の79・6%に比べて著しく低い。

 1982年に完成した西崎小と86年完成の西崎中は、航空機のルートにあたるとして全館クーラーの設計で建てられた。しかし、全館クーラーは96年ごろ西崎中で1年間稼働しただけで、電気代が高くなることから使用を中止した。

 西崎小では建設から35年間、一度も使われないクーラーの機械室などがある。