沖縄県、パラシュート降下訓練に抗議 県民の憤りと不安伝える


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米軍嘉手納基地第一ゲート前で記者団の質問に答える謝花喜一郎知事公室長=22日、北谷町砂辺

 【中部】県の謝花喜一郎知事公室長は22日、米軍嘉手納基地に第18航空団副司令官のリチャード・タナー大佐を訪ね、米軍が21日に嘉手納基地内でパラシュート降下訓練を実施したことに抗議し、今後同飛行場でのパラシュート降下訓練を実施しないよう求める抗議文を手渡した。

 謝花公室長は県民が同訓練に反対する背景を、時系列に沿ってタナー大佐に説明した。復帰前にパラシュート降下訓練でトレーラーが落下し少女が犠牲になった事故などを挙げて、21日の同訓練強行に県民が強い憤りと不安を抱えていることを訴えた。

 要請に対してタナー大佐は「15日の発表以前から(嘉手納基地でパラシュート降下訓練をしない方法を)考えたができなかったので、県民には15日の時点で21日やることを伝えた」と説明があったという。

 謝花公室長は「これまで伊江島で実施し嘉手納基地では控えられていた訓練が、今年になって連続して行われていることに納得がいかない。今後、同様のことがないよう司令官に伝えるよう強く申し入れた」と話した。

 米軍は21日、県や地元自治体が訓練中止を求める中、今年3度目となるパラシュート降下訓練を嘉手納基地内で実施した。日米両政府は日米特別行動委員会(SACO)最終報告で降下訓練を伊江島補助飛行場に集約すると合意し、2007年の日米合同委員会で嘉手納基地の降下訓練使用を例外的な場合に限って認めると追加合意している。【琉球新報電子版】