比嘉大吾、初防衛戦まで1ヵ月 「KOで勝つ」過酷トレで自信に磨き


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 世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者・比嘉大吾(22)=白井・具志堅スポーツジム、宮古工業高校出=の初防衛戦は1カ月を切った。ジム全体が初防衛戦モードに突入した22日、野木丈司トレーナーの元で、スパーリングや自転車型器具による練習、ミット打ちなどたっぷり約3時間練習した。ジム内の雰囲気は張り詰め、一発一発のパンチが鋭さを増す。辺りに飛び散る汗と苦しい表情がハードメニューを物語る。「期待されているKO勝利を目指す」。比嘉に揺るぎない自信が見える。(嘉陽拓也)

初防衛戦に向け、無心で練習に取り組む比嘉大吾=22日、東京都の白井・具志堅スポーツジム(嘉陽拓也撮影)

 初防衛戦は10月22日、東京両国国技館で、同級6位、21戦17勝(5KO)3敗1分けのトマ・マソン(27)=フランス=を迎え撃つ。今月上旬、長野県の高地トレーニングから本格始動させ、東京に戻った。ジム側は、本番まであと1カ月に迫っていることから、22日を最後に取材など外部の対応を極力控えることとし、比嘉を練習に専念させる。

 22日、ジムで無心に練習に取り組んだ比嘉。「練習以上にきつかった試合はない」と苦笑いしながらも、野木トレーナーのミットに必死な形相でパンチを打ち込んだ。野木トレーナーは対戦相手を「きれいなボクシングをする」と話す一方で、比嘉の力強い左ジャブでリズムを崩しダメージを与えれば、最後はインファイトで「自由に攻めることができる」と言い切る。

 比嘉自身は戦略よりも「相手の全てを上回ること」だけに集中している。小手先の技術で打ち負かせるほど甘い世界ではないからこそ、全身全霊を懸けた練習を繰り返す。