「花畑に住む平和ボケ」 石垣市議が発言 陸自配備巡り


この記事を書いた人 大森 茂夫
石垣亨市議の発言を批判する「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」=25日、市民連絡会事務所

 【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備を巡り、市議会9月定例会で与党の石垣亨市議が配備反対の市民を「お花畑に住む平和ボケ」と表現したことが分かり、反対市民が反発している。25日、約1万4千筆の配備反対署名を中山義隆市長に提出した「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」は同会事務所で会見を開き、「署名した市民を侮辱している」と発言を批判した。石垣市議は取材に「侮辱する意図は全くない」とした。

 石垣市議は20日の9月定例会一般質問で、配備反対の市民を「お花畑に住む平和ボケ」と表現。中山市長に「ミサイルが頭上を飛びJアラートが鳴り響いても、『話し合いで解決しよう』『9条があるから大丈夫』と、現実を直視しないお花畑の住民が理解するのを待つのか」として、配備受け入れの最終判断を迫った。

 署名についても「知り合いの娘さんは夏祭りに来ただけなのに『署名お願いします』と言われ、断るのが面倒くさいので書いた」などの事例を聞いたとして、疑問を呈した。

 会見で、陸自配備予定地に近い川原地区の具志堅正公民館長は「戦争体験者も、気持ちを込めて署名した。議員でも言ってはいけない言葉だ」と批判。仕方なく署名したとの事例の報告に、連絡会事務局の藤井幸子さんは「たとえ事実であったとしても、ごく一部を取り上げて信ぴょう性に欠けるとするのは本質を外している」とした。

 連絡会は25日付で、石垣市議に抗議文を発送した。

 石垣市議は「(配備反対の住民には)危機感が全くなく、現実を直視してほしいとの思いから発言した」とした。事例を報告したことには「生の声を紹介した。署名数がそのまま住民の意思(を反映している)というのは無理があると思う」と述べた。