媒体の信頼と役割議論 マスコミ倫理懇全国大会


社会
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マスコミ倫理懇談会全国協議会の全国大会で「国益とメディア」と題して議論する分科会=28日午後、長野市内のホテル

 【長野で松永勝利】全国の新聞社、放送局、出版社などで組織する「マスコミ倫理懇談会全国協議会」の第61回全国大会が28日、長野市で2日間の日程で開幕した。「いま、メディアの信頼と役割は」を主題に、全国から100社308人が参加して議論を深めた。

 実名報道、報道と地方自治、ネット時代の世論など七つの分科会が開かれ「国益とメディア 在日米軍基地、原発問題をどう報じるか」と題した分科会では沖縄タイムスの西江昭吾東京支社報道部長が沖縄の基地報道について「地元紙は『偏向報道』と言われることがあるが、米軍の事件、事故などは県民生活の問題だ。外交、安全保障の問題も生活者の視点で今後も発信していく」と述べた。

 琉球新報の松永勝利編集局次長・報道本部長は昨年12月に名護市で起きた米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故の際、政府が「不時着水」と発表したことで多くのメディアが「不時着」と報道したことを挙げ「琉球新報は最初から紙面で『墜落』と報じた。大本営発表をそのまま記事にしたように映った。それぞれが独自の判断で報じるべきだった」と指摘した。