昨年死去の県出身画家 正子さんの作品50点 故郷・今帰仁で展示


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絵画展への来場を呼び掛ける運天睦子さん(右端)ら=28日、今帰仁村歴史文化センター

 【今帰仁】戦前に「ジュリ」(遊女)として那覇の辻に身売りされ、戦後は米国人男性と結婚した画家、正子・ロビンズ・サマーズさん(享年88)の絵画展「いのちを選び続けた画家-Born Again-」(主催・今帰仁村教育委員会、村歴史文化センター)が28日、正子さんのふるさとである今帰仁村の村歴史文化センターで始まった。油絵や水彩画、水墨画で描かれた作品約50点が展示されている。

 1928年に大阪で生まれた正子さんは2歳の時に沖縄に移り住み、経済的な理由から2、3歳の時に辻に売られる。戦後は米軍の売店で働きながら英語を覚えた。50年、米国人男性と結婚し、2年後には米国で生活するようになった。米国で描いた絵を売るなどして生計を立て、大学で講師として絵を教えるなどした。昨年9月、米国で他界した。

 正子さんのめいの運天睦子さん(68)は「本人はふるさとでの絵画展をを熱望していた。それが実現できて良かった。多くの人に足を運んでほしい」と話した。絵画展は10月1日まで。入館は午前8時から午後5時半まで。入場無料。問い合わせは村歴史文化センター(電話)0980(56)5767。