南風原、医療費伸び率減 窓口無料「コンビニ受診なし」


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 【南風原】こども医療費助成事業で窓口負担をなくす「現物給付」を、今年1月に沖縄県内で初めて導入した南風原町が2日、1月から7月までの子ども1人当たりの医療費・受診件数の前年比の伸び率を発表した。歯科以外の医療機関「医科」の1人当たりの受診件数は、現物給付導入前の2016年の前年比6・22%増に対し、導入後の今年は前年比3・26%増だった。安易な受診が増えるとみられがちな現物給付だが、受診件数の伸び率は逆に減少していることが分かった。

 一方、低所得世帯の受診率が低いとされる歯科の1人当たり受診件数は、前年比15・58%増で、受診を控えてきた世帯が通院している傾向が明らかになった。

 医療費の助成対象者は、0歳から中学卒業まで。医科の1人当たりの医療費は、導入前の16年が前年比5・98%増の1804円で、今年は前年比2・98%増の1857円だった。現物給付導入後の医療費の伸び率は、導入前より低かった。

 歯科の1人当たりの医療費は、16年が前年比5・41%増の213円だったが、受診件数の大幅な増加に伴い、今年は前年比27・14%増だった。

 南風原町の担当者は「国民医療費は毎年伸び、子どもの数も増えているため医療費の合計は増えたが、1人当たりは増えていない。不要な『コンビニ受診』はない」と断言した。