長寿や食文化アピール 金武町、ロシア経済団体と提携


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今後の交流を確認する文書に調印したロシア・オーポラロシアの訪問団と金武町幹部=4日、金武町役場

 【金武】沖縄県金武町(仲間一町長)は4日、約50万社の中小企業が加盟するロシア最大の経済団体オーポラロシアと交流を深めることに合意する文書に調印した。人的交流を進めるほか、将来的には健康や医療などの分野でロシア側からツアーを組み、金武町を訪れることも想定している。

 ロシア側は沖縄の長寿や健康、食文化のほか、南国の海など自然にも関心を寄せている。金武町によると、自然体験ができる同町の施設ネイチャーみらい館に、福岡にあるオーポラロシアの出先機関から交流の提案があった。

 金武町は「健康と癒やし」をテーマにした町の整備計画を策定し、自然体験や医療、スポーツ施設などを整備してきた。今後、これらの施設を活用した医療やスポーツツーリズムに期待している。

 調印式にはロシア側からオーポラロシアのアレクサンドル・カリーニン会長をはじめ、企業や大学の関係者15人の訪問団が参加した。カリーニン会長は「ロシアは近年、経済が活発で、日本は先端技術で有名だ。協力すれば非常に良い関係になる。ロシアは半年以上も雪に覆われ、暖かい場所で過ごしたいと思う人も多い。健康や医療の向上に努める金武町に、ロシアから多くの人が訪れ交流が活発になるよう祈っている」と述べた。

 訪問団の関係者は、金武町の企業が作った脚の関節を支える装具を付け、確かめるなどした。

 仲間町長は「人的交流から経済交流に進んでいければと思う。長寿や沖縄の食文化をアピールしていきたい。金武町から沖縄全体へと交流が広がればと考えている」と期待した。