「楽しいこと見つけて」 視覚障がいの教諭がキャリア授業


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色当てゲームで教室を盛り上げる與座健作さん=5日、うるま市の沖縄アミークスインターナショナル

 【うるま】沖縄県うるま市の沖縄アミークスインターナショナルは5日、視覚障がいのある県立沖縄盲学校の英語教諭・與座健作さん(45)を招き、6年生を対象にしたキャリア教育授業を行った。與座さんは、児童の質問に丁寧に答えながら自身の人生や障がいがある人の生活について話した。

 與座さんは、点字板や健常者用の数倍の厚みがある点字の教科書を使って勉強してきたことや、現在はパソコンやスマートフォンの音声案内も使い、授業や日々の生活を送っていることを紹介した。その後、自身が15年前に結婚して2人の娘がいることに触れ、「目の見えない人はどうやって恋に落ちるか」と問い掛けた。児童は「触る」や「食べる」などの珍答を返し、教室は笑いに包まれた。

 與座さんは「一つは声。それから性格。においもあるだろう。話をして相手がどんな人か分かったら好きになる。目の見えない人も勉強するし、人を好きになる」と伝えた。最後に、ヘレン・ケラーの言葉を紹介し、「皆さんも目に見えるもの以外を心で感じてもらいたい」と結んだ。

 児童からは「いじめられたことはないか」などの質問が上がった。比嘉じいなさん(11)は「笑顔でいられる理由は何か」と質問。與座さんは「楽しいことや好きなことを見つけて、嫌なことがあればそれを忘れたり、後回しにしたりして笑えるようになるのかな」と優しく答えた。

 比嘉さんは「與座さんの話を聞いて、明るく元気でいようと思った。目が見えない人がいたら手助けをしたい」と話した。