【冒頭。翁長雄志沖縄県知事がコメント】
「いったんコメントを申し上げる。本日17時30分(午後5時30分)ごろ、米海兵隊所属のCH53型ヘリが東村で炎上したとの報告を受けた。事故の状況については、機体が炎上してるものの、負傷者はいないとの報告を受けており、その他の被害状況は確認中だが、昨年の名護市での墜落事故から一年もたたないうちに、再び県内で同様の事故を起こしたことに強い憤りを感じている。
海兵隊所属機については、昨年から今年にかけて、墜落事故や緊急着陸を繰り返しており、今回の事故発生に強く抗議するとともに事故原因の徹底的な究明と早急な公表、今回の事故原因究明がなされるまでの同型機の飛行を中止するよう強く要請する。
民間地の牧草地帯だと聞いているが、一歩間違えば住宅地にも墜落したわけで、県民の生命、財産がいかに危ういものにさいなまされているか感じられる。
県庁の職員もきょう、もう現場に向かっているし、私も明日日程を変えて、朝一番に現場にいって、この状況を把握して、その中からまた防衛局や米軍、沖縄大使などなど、いろいろ形で、県を挙げて抗議していきたいと思っている。
この状況が、少しでも改善するという意味では、新辺野古基地もさることながら、そういった基地あるが故の事故などを見ると、やはり根本的に、これに異議を訴えている人が今度の衆院選で当選するのが大切かな、という風に今強く思っている。以上私からのコメントだ」
【質疑応答】
―抗議はどういう形でするのか。
「一番はとにかく現状把握が一番だ。もう一つ日米地位協定との関係でいうと、沖縄国際大学に墜落したヘリと一緒の機種と聞いている。あの時も日本の関係者はみな、排除して、機体をどこそこに持って行かれるという、現場が推測される。こういったことなども見据えながら、先月、日米地位協定の改定についても外務省、防衛省行ってきたが、そういった抗議を改めてしっかりやっていく。沖縄県として具体的にどうするかとなると、私もそういうことをやりたいと思うし、副知事もどういう役回り、まだ何も相談していないので、どういう役回りになるかわからないが、県庁挙げて抗議する、あるいは呼んで抗議する。いろいろな形が考えられるが、とりあえずは事件事故起きての緊急の記者会見なので、こうすると100%は言えないが、そのような形でしっかりと伝えたい」
―選挙期間中にこういった事案が起きた。選挙戦への影響はどう考えるか。
「改めて県民が沖縄の置かれている状況をしっかりと見ていただくと、そして、それが何故にそういうことであるのかも考えていただくことが大切なのではないかと思っている。全県民、それぞれの立場違っても、そういったことについての思いは一つであるはずだから、その中から、今度の争点である新辺野古基地建設反対、オスプレイ撤回、普天間の閉鎖撤去というようなものが理解いただければありがたい」
―今回の事案も新たな争点になってくると思うか。
「今日の墜落か? それはそれぞれ4選挙区の候補者がそれぞれの立場で話をすると思う。私は私なりに持っているが、選挙の当事者は彼らなので、私は先ほど申し上げたような視点でものをみているが、私どもの候補者は同じような感じを持っていると思うが、どういう論争になるかは、これからの選挙戦をみていきたい」
―改めて去年もオスプレイ墜落、今年、今回。毎年のように巡ってくる。今の沖縄の状況について、長いスパンでみたときに立て続けにこういうことが変わらない状況について。
「特にこの1、2年は、今までの事件事故よりは、私は件数が多いかどうかは把握していないが、インパクトというか、なんでこんなひどい状況になっているのと。72年たって基地負担の軽減とか、いろいろ政府は話すが、こういった事件事故という意味ではむしろ多くなっていて、これについての抗議も実にむなしくなるくらい強く申し上げるが、なかなか改善されない状況なので今の状況は大変憂うべく状況だなというふうに思っている」
―政府のいう辺野古移設で県民に事故の危険性はなくなると思うか。
「森本(敏)元防衛相の話、アメリカ側からの情報を総合すると、オスプレイ100機やってくるという計画になっていると聞いている。なおかつ、最近の稲田(朋美)元防衛相の話といったところからしてもグアムの状況が大変厳しいとあるし、オスプレイしかどうせ100機は入れられないから、固定翼機が緊急事態に着陸できるような飛行場の整備がなければ普天間も返さないというような話なので、状況は刻一刻と悪くなっているなという感じがしている。とても基地負担軽減とか、基地の整理縮小とか、日本政府の主体的な米軍あるいは米政府との交渉能力とか、まったく後退に後退をしながらものごとが進んでいるなという感じがする」(おわり)