3者協設置を要求 翁長沖縄県知事、対策実効性に疑問


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 翁長雄志知事と富川盛武副知事は12日午後、自民党の岸田文雄政調会長と川田司沖縄担当大使、中嶋浩一郎沖縄防衛局長らと沖縄県庁で会談し、東村高江で米軍ヘリが不時着、炎上した事故に抗議した。翁長知事は実効性ある再発防止策が講じられるまでの飛行中止などを要請した。重ねて、米軍の事件事故で地元の意見を反映させるための日米両政府と地元沖縄の3者による新たな協議会設置も求めた。

 翁長知事は、これまでの政府の対応に実効性がないと指摘し「要請書を準備しているが読むのもむなしい。何十回こういう話をしてきたか。日本政府が当事者能力があるのか、日本国民として寂しい思いでいっぱいだ」と訴え掛けた。

 富川副知事は岸田政調会長への抗議とは別の席で、改めて川田沖縄大使と中嶋防衛局長に抗議文を手交した。富川副知事は、抗議のほか(1)ヘリの部品にある放射性物質の調査(2)消火活動に関わった消防隊員の被ばく調査(3)近接するダムへの有害物質などの影響調査(4)事故現場への立ち入りと調査(5)民間地の牧草地やブタへの補償(6)現地と日米沖3者協議会の設置―も求めた。

 富川副知事は「事故や緊急着陸も含め、頻度が異常に高すぎる。県として異常な状態ではないかと思っている。県民の長い歴史でいろいろ理不尽な事件事故に対するマグマがうっ積している。場合によってはこれが点火する可能性もある」と沖縄の現状を表現した。

 県の要望に中嶋防衛局長は、県の環境調査への協力のほか「ダムの件は不安を与えることがあってはいけないので、県ともしっかり協力の上対処していきたい」と答えた。川田沖縄大使は、11日にニコルソン在沖米四軍調整官に遺憾の意を伝え、原因究明、再発防止策の徹底を求めたと説明した。