粟国で子ハブ発見、2例目 沖縄県「定着判断 まだ早い」


この記事を書いた人 大森 茂夫
13日に粟国村の塩工場で見つかった子どものハブ(県衛生薬務課提供)

 沖縄県粟国村字東にある塩工場の事務所で13日、子どものハブ1匹が見つかった。粟国島にハブは生息していないが先月、島内でハブが1匹捕獲されており、今回の発見で2例目となる。県衛生薬務課は「1匹見つかったからといって、ハブが定着していると判断するにはまだ早い」との見解を示す一方で、子どものハブであっても毒があるため、見つけた場合は速やかに村役場に通報するよう呼び掛けている。

 県によると、13日午前10時半ごろ、塩工場事務所入り口のアルミ戸下部に子どものハブが挟まっているところを従業員が発見した。同日夕方に県衛生環境研究所へ運んで調査したところ、見つかったハブは全長53・5センチ、体重29・1グラムのメスで、大きさから今年のふ化時期(8月下旬~9月)に生まれたと推定される。胃に内容物はなかった。

 発見された塩工場は9月にハブが見つかった場所から約200メートルの地点。県によると、ハブのメスは生まれて2~3年で成熟し、1回の産卵で2~15個の卵を産むとされているが、今回の発見場所付近で卵の殻は見つかっていない。発見されたハブは粟国村から運ぶ時点では生きていたものの、那覇市の泊港で確認した際には死んでいた。

 県は9月から粟国島に捕獲器を30台設置し、ハブ定着の有無を調査している。今のところ捕獲器にはかかっていない。県衛生薬務課の担当者は「12月まで調査を実施し、その上でハブが粟国村に定着しているのかどうかを判断したい」と述べた。