米軍ヘリ墜落でダム取水1年停止も 2013年宜野座、土壌から鉛やヒ素が高濃度検出


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 2013年8月5日、宜野座村の米軍キャンプ・ハンセンに空軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリが墜落した際、墜落現場から70メートル離れた場所に大川ダムがあり、村は約1年間ダムからの取水を止めた。

 墜落現場における米海兵隊の土壌調査では、日本の土壌汚染対策法で定める環境基準値の74倍の鉛(1リットル当たり0・744ミリグラム)や21倍のヒ素(同0・215ミリグラム)が検出された。現場から雨でダムに汚染物質が流れる可能性があり、村は安全性が確認できるまで取水を停止した。

 当時、墜落現場を確認した宜野座村上下水道課の嘉手川繁和主任は「燃料などいろんな物が流れている可能性があった。初めてのことだったので衝撃だったし、対応に苦慮した」と話す。宜野座村によると、大川ダムは村内の上水道の需要量の約2割を占めており、約1年間は漢那ダムから不足分を補った。

 1年間の取水停止中、水質検査や漢那ダムからの送水ポンプの維持費など村が約650万円を負担した。