オスプレイの事故率「あくまで目安」 菅官房長官、「低い」軌道修正


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 【東京】菅義偉官房長官は30日の会見で、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの事故率が海兵隊全体の事故率を上回っているとの全国紙報道について問われ「あくまで目安の一つ」との見解を示した。政府はこれまでオスプレイの事故率が「低い」と安全性を主張していたが、軌道修正した格好だ。同時に2017米会計年度末となる本年9月末時点の事故率について、防衛省が米側に情報提供を求めていると明らかにした。

 防衛、外務両省は12年9月、米軍普天間飛行場配備に合わせて発表した「MV22オスプレイの沖縄配備について」の資料で、10万飛行時間当たりのクラスA事故率が1・93で「海兵隊平均より低い」「全軍種でみても低い」と事故率の「低さ」を強調した。これらを踏まえた結論として「安全性は十分に確認されたものと考える」と主張していた。

 現状では、米海兵隊のオスプレイのクラスA事故率は12~16米会計年度(11年10月~16年9月)で、10万飛行時間当たり3・41件となっており、普天間配備当初の1・93件から1・76倍増えた。同じ12~16会計年度では米海兵隊航空機全体のクラスA事故率平均値2・83も上回っている。菅氏は事故率について「安全記録の一つの指標として使用されているが、整備ミス、捜索ミスなどから機体以外の要因で発生する事故もある。事故率のみをもって機体の安全性を評価することは適当ではなく、あくまで目安の一つだろう」とした。その上で、米軍に運用面で安全面に最大限配慮するよう求めたいとした。