少年たちによる器物損壊事件が起きた読谷村のチビチリガマに1日、ハワイ在住の県系人ら約20人が訪れた。平和への願いを旋律に乗せ、歌三線で「子持節(くゎむちゃーぶし)」をささげたほか、折り鶴やハワイの首飾り「レイ」を供えた。一行は近くにある、ハワイ移民の住民がいて集団死が起きなかったシムクガマも訪問。沖縄とハワイのつながりを再確認した。
訪問したのは、ハワイの県系3世、4世らでつくる琉球芸能グループ「御冠船(うくゎんしん)歌舞団」のメンバーら。同歌舞団は、ハワイで沖縄の言葉や芸能など文化の継承に取り組んでおり、毎年、県系人を連れて沖縄の歴史や文化を学ぶスタディーツアーを実施している。
チビチリガマでは元読谷村議の知花昌一さん(69)の案内で、9月に少年たちに内部が荒らされたことなどの説明を受けた。
3世の金城ノーマンさん(42)は、愛児を失った悲哀の歌である「子持節」をささげ、「同じウチナーンチュ、島人として、沖縄の人の心の痛みに寄り添う気持ちで歌った」と思いを語った。
シムクガマでは、ハワイ帰りの住民2人がいて英語を話すことができ、避難していた約千人全員の命が助かったことなどを学んだ。 同歌舞団は4日午後5~6時に、西原町の沖縄キリスト教学院大チャペルでコンサートを開く。入場無料。
英文へ→Hawaiians with Okinawan ancestry play sanshin for peace in Yomitan