【中部】米軍嘉手納基地に2日、米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F35A10機が飛来した。同戦闘機は米ユタ州のヒル空軍基地に所属している。嘉手納基地第18航空団は、計12機と兵員300人を半年間にわたり暫定配備すると発表しており、今回飛来した10機はその一部。10月30日に飛来した2機と合わせ、全機の嘉手納基地への配備が完了した。
F35Aの運用はインド、アジア、太平洋地域で初めて。沖縄防衛局によると、訓練の開始日について米軍から通知はない。3日以降に始まるとみられる。周辺住民の騒音被害が増えることが懸念される。
沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「米軍嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)は米軍や沖縄防衛局などに抗議し、配備しないよう求めていた。
當山宏嘉手納町長は12機の配備を受け「外来機の飛来は認められず、特にF35戦闘機は騒音が大きい機種で、被害が増大する懸念がある。早期撤退してほしい」と憤った。
F35は午後3時すぎから約1時間の間に2回に分けて5機ずつ着陸した。機体は着陸前に上空を旋回し、騒音を響かせた。
嘉手納町の測定でF35が旋回した午後3時4分に町役場屋上で92・9デシベルの騒音が観測された。90デシベルは騒々しい工場の中のうるささに相当する。
三連協は目視調査などでF35の運用実態を把握した上で、11月下旬にも防衛省、外務省に抗議に訪れる予定。
また嘉手納基地では10月31日以降、米軍岩国基地所属のFA18ホーネットが連日飛来している。1日は8機が滞在し午後9時ごろまで訓練していた。2日に全機が帰還したものの、新たに2機が飛来した。