県高校新人大会のハンドボール競技は2日、八重瀬町の具志頭社会体育館で男女決勝までを行い、男子は興南が26―25で那覇西を振り切り、11年連続31回目の優勝を果たした。女子の決勝は浦添が29―15で那覇西に快勝し、2年ぶり9回目の栄冠を手にした。3位決定戦の男子はコザが26―24で知念に勝利し、女子は浦添商が29―23でコザを制した。
◆興南 残り3秒 11連覇達成 慶田花、絶好機見逃さず
後半29分29秒、興南は伊禮雅太が下手投げからの強烈なステップシュートで25―24と勝ち越した。残り26秒、那覇西がタイムを取る。試合再開直後、那覇西はGKを下げてフィールドプレーヤー7人の攻撃へ。数的有利で得た興南守備のズレに那覇西の司令塔・洌鎌魁斗が飛び込み、同点ゴール。残りは8秒となり、延長戦を見据え沸き上がる那覇西だったが、興南の慶田花拡が素早いリスタートから那覇西の無人ゴールへ、ボールを投げ込みんだ。残り3秒、勝敗が決した。
序盤は横一線守備を展開したが、攻撃枚数の多い那覇西のパワープレーをしのぎきれない。「3―2―1守備」に戻したが那覇西のポストにマークミスを誘われた。後半、根路銘泰成の退場からの数的不利で4点差を追う展開となった。
その苦しい時間帯、コートに戻った根路銘がステップシュートで那覇西の流れを止めると、伊禮が仲間の援護で厳しいマークをふりほどき連続得点。さらに相手が退場した隙を逃さず、同点に追い付き、最後の大接戦を乗り切った。
決勝点を決めた慶田花は「照屋(喜隆)コーチの『気持ちは熱く頭は冷静に』の言葉を忘れず、最後まで攻めようとした結果、誰もいないゴールを見逃さなかった」と喜んだ。主将の石嶺秀は「3―2―1守備は声掛けで守れた時間帯もあったが、シュートコースの絞り込みも不完全だった。横一線守備も攻撃もさらに鍛え、全国を目指す」と課題修正を誓った。(嘉陽拓也)
◆連係守備で重圧 速攻につなげる/浦添女子圧勝
女子決勝は荒削りながら素早いマークで相手の個人技に食らい付くことを徹底した浦添が那覇西を圧倒し、14点差で優勝した。佐平牧生監督は「皆が守って走り続けた。新チームはバランスが取れている。今後はプレーの精度を高めたい」と満足げだった。
「相手を歩かす」守備が機能し主導権を握った。オフボールのバックプレーヤーをけん制しつつ、仕掛ける相手の3歩目に複数で当たる。その重圧で那覇西のミスを誘い、松本彩花らの速攻でリズムをつかんだ。
ロングシュートが得意な伊波優里は、後半から相手GKの逆を突くなど、うまくコースを使い分けてエースの役割を果たした。
比嘉清香主将は「皆が守備への意識を強く持っていた。九州や全国で通用するチームになるため、守備をさらに強化したい」と意気込んだ。