沖縄県、成果指標60新設 正規雇用62・5% 21ビジョン後期 MICE効果は倍へ


この記事を書いた人 大森 茂夫

 沖縄県は、10月31日に決定した2021年度までの5年間の沖縄21世紀ビジョン後期実施計画の中で、数値目標を掲げる成果指標について新たに60の項目を設定した。子どもの貧困対策では保護者の働く環境の改善にも目標を掲げた。県の重要施策の大型MICE(国際会議など)施設に関する指標では、経済効果が現状の2倍とするなど具体的な目標値を設定した。想定以上に増大する観光需要などにも対応して新設した。

 子どもの貧困関連では、困窮世帯の割合について当初後期計画の目標では「減少」としていたが、県振興推進委員会で目標値は具体化すべきだとの意見を受けて現状の割合の29%台を20%へと減少させる目標を定めた。

 さらに貧困の連鎖を断ち切るため保護者の支援や雇用の質の改善が不可避として、「正規雇用者(役員を除く)の割合」を新たに設けた。非正規雇用の割合が全国でも高い沖縄で、正規雇用を現状の58・2%(16年)から21年には4・3ポイント増の62・5%に引き上げる目標を掲げた。

 不登校の児童生徒の登校復帰を促進する必要性から、登校復帰率を小学生で19・4%を35・0%まで高めることを目標にした。地域での子育て支援の充実を目指し、放課後児童クラブの希望者が入れる施策推進のためクラブ登録児童数を指標に新設した。現状の約1万5千人の約1・4倍の2万1千人以上と掲げた。

 MICE推進に関連しては、新たな施策展開に「MICEを活用した産業振興と関連産業の創出」などを掲げ、具体的な施策として「大型MICEを核とした全県的な受け入れ体制の整備」などを盛り込んだ。

 それらに関連した成果指標として「MICE開催による直接経済効果」や「1千人以上の開催件数」「MICE開催による経済波及効果(間接)」を新設。直接経済効果は現状の約2倍の413億円、開催件数は1・6倍の134件、間接波及効果は2倍の506億円を目標に明示した。