―首脳会談の関連で伺いたい。首脳会談では2プラス2(日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会)の成果の着実なフォローアップを関係閣僚に指示したとあった。2プラス2では在沖米軍の統合計画を可能な限り早期に更新すると共同発表で再確認している。統合計画更新の時期について具体的な指示はあったのでしょうか。
「私どもとしては沖縄の負担軽減のために少しでも早く統合計画を進めて、そして普天間飛行場を含む嘉手納以南(嘉手納基地より南)の6つの米軍施設、区域のうち1048ヘクタールを超える土地の返還を進めるということが基本であります。これを進めるために公有水面埋め立てに関する護岸工事等の事業を進める中で、普天間の移設を一日も早く進めていきたいと思っております」
―更新時期について大臣としてはめどはないですか。
「これは全体のバランスの中で、工事が進み、移転が進み、そして統合が進むということになりますので、私どもとしては一日も早く統合を進めたいということに尽きると思います」
―昨日、辺野古の新たな護岸工事に沖縄防衛局が着手しました。一方で沖縄では衆院線で辺野古の基地建設に反対する候補が4選挙区中3選挙区で勝利したことや、まだサンゴの移植もされていない中での護岸工事着手に反発の声が上がっています。このような声をどのように受け止めて、理解を得る考えでしょうか。
「事実関係からいうと前回の衆院選と今回の衆院選を比べれば、前回は4選挙区全てで残念ながら、辺野古移設を進める候補が反対派の候補に敗れたということがありますが、今回は4人中1人でありますが、推進を進める候補が当選されたという風に私どもは認識しております。辺野古沖での工事については、昨日から護岸工事に着手しており、具体的には陸上から大型クレーンを使用して石材などを海域に投入するなどの作業を開始しております。私どもとしては地域の皆さまにさまざま説明をしながら、是非この辺野古移設を進める形で沖縄の負担軽減を実行ある形で進めていきたいと思っております。
また、サンゴへの影響でございますが、工事着手に先立ち水の濁りや水温などの予測シミュレーションを行った結果、当該工事に伴う同サンゴへの影響はなく、その生息環境は維持されるとの結論が得られたところであり、このことについては9月27日に開催された第9回環境監視等委員会において説明を行ったところ、水の濁りや水温などのモニタリングをしっかり行い工事の影響を確認しながら工事を進められたい旨の指導助言を受けたことであります。私どもとしてはこのような指導助言を受け止めながら適切な工事を進めていきたいと思っております」
―今日この後、沖縄の嘉手納基地で米空軍が暫定配備したF35がメディアに公開されます。沖縄では暫定配備に反発の声もあります。F35の配備についてどのような意義があると思いますか。
「今、安全保障環境が大変厳しい状況にある中、この東アジア地域に対して、米側が一定のプレゼンスを示すこと、またさまざまな機会で日米が共同して訓練を行うこと、これは今回のF35と別の話ではありますが、そういう意味で抑止力が高まるそのような効果があるんだと思っております。私どもとしてはまず、今の安全保障環境をしっかりした形で掌握し、今後、外交努力によってこれが解決すること、これが基本だと思います。そういった意味で今回の暫定配備については一定の役割があるんだと思います。
また、あの、もちろん嘉手納飛行場に対しての地域住民の方々のさまざまな懸念は重々承知しております。地域住民の方々に不安を与えることがないよう、私どもとしては説明に、日米ともに努力していきたいと思っております」
―辺野古の問題なんですが、国と県の間でそれぞれ言い分があって、論争が続いている中で、取り返しのつかない埋め立てをしてしまうことに強い批判があると思うが、それについては大臣はどのようにお考えか。
「これは埋め立て承認を得る段階で、沖縄の前の知事ではありますが、その知事が正式な形で埋め立て承認をされたということ、それを受けて工事が始まりました。その後、知事が代わり、沖縄県からのさまざまな要請などがあって、今、国と沖縄県の間で意見の相違があるということは十分承知しております。
ただ、行政の一貫性を考えた場合、私どもとして、この事業については今、継続して行わせて頂きたいということを沖縄県側にもお願いしております。いずれにしてもこの目的というのは沖縄の負担軽減のための措置ということであります。海を埋め立てるということ、これは環境にも十分留意して行われなければならないことで、私どもとしてはその環境への問題、そして沖縄の負担軽減の問題、そのことを十分配慮しながら、これからも進めていきたいと思っております」
―国と地方自治体の関係において、双方の言い分が違う時はいったん立ち止まって、そこでもう一度議論するのが常識的ではないでしょうか。一方的に取り返しのつかない問題について、埋め立てを進めるというのはちょっとおかしいと思うが、それについてお考えをお聞かせ下さい。
「これは私が防衛大臣ではない期間だったと記憶しておりますが、翁長知事と菅官房長官の間で対話が行われ、その中で国と地方の意見の相違というのがある中で、いったん工事を中断をし、対話をする努力がはらわれたと思います。ただ、その努力の中で、最終的な結論が見い出せず、その後それぞれ法廷の場やさまざまな協議の場を通じて意見を言い合う中で現在に至っていると思います。いずれにしても国としての考えは普天間の危険性除去を一日も早く進めるための、辺野古移設を今後とも進めていきたいということなんだと思います」(おわり)