不法投棄をしたとして産業廃棄物処分業の許可を取り消された沖縄市池原の大手廃棄物処分業、倉敷環境が2013年度以降、在沖米軍基地から排出されたごみの受け入れ量を大幅に増やしていたことが22日、県の調べで分かった。廃棄物を積み上げた高さ30メートルの「ごみ山」の処理をしなければならない同社が、十分な分別がなされず、処理に手間がかかる米軍基地の排出ごみを積極的に受け入れていた実態が明らかになった。倉敷ダム流域振興促進協議会の池原秀明会長は「ごみ山の処理より、利益を最優先する社の姿勢が如実に表れている」と指摘した。
在沖米軍基地内には廃棄物処理場がないため基地から排出されるごみは、倉敷環境を含む県内の民間業者2者が大方、請け負っている。中でも倉敷環境は前身の南商会の時代から、県内随一の量を受け入れてきた実績がある。
県の調べによると、09~15年度までの米軍基地排出ごみの総量は年間2万1千~2万6千トンで推移し、ほぼ横ばいだった。排出ごみの総量が2万6691トンだった09年度は、倉敷環境と別の社が約半分ずつ受け入れていた。だが13年度は総量2万5608トンのうち1万9670トンを、14年度は総量2万3064トン全てを倉敷環境が受け入れていた。
日本環境管理基準(JEGS)には「各米軍施設は固形廃棄物管理計画を策定・実施し、廃棄物の排出量削減やリサイクル率の上昇、堆肥化に努めること」と明記されているが、実際はほとんど分別されないまま、業者に排出されている。
県の担当者は、米軍の1人当たりのごみ排出量は県民の約2倍とされることから「長期にわたる米軍基地排出ごみの受け入れが、ごみ山をつくる一因になった可能性は高い」と分析している。