沖縄県那覇市船籍のマグロはえ縄漁船「第一漁徳丸」(19・99トン)がパラオ沖で転覆し、乗組員7人が行方不明となっていた事故で、第11管区海上保安本部は23日午前0時45分、7人の無事が確認されたと発表した。けがはない。那覇地区漁業協同組合によると、船長(62)、機関長(49)、インドネシア人乗組員5人の7人は23日現在、フィリピンのミンダナオ島・ダバオ市内におり、帰国の準備を進めている。
インドネシア総領事館を通じて、本紙の電話取材に応じた船長は「全員無事で良かった。皆さんにご心配をお掛けして申し訳ない。心配してくれた皆さんに感謝したい。早く沖縄に戻りたい」と話した。
11管や那覇地区漁協などによると20日午後、第一漁徳丸はパラオ沖から那覇へと帰港する際、フィリピン船籍の船舶と衝突。転覆したが、衝突した船舶によって乗組員7人全員が救助されていた。22日午後4時ごろに、フィリピン・ミンダナオ島南部のジェネラル・サントス港に到着し、病院で検査を受けるなどしていた。23日はダバオ市内に移動し、在フィリピン日本大使館ダバオ領事事務所、インドネシア総領事館と帰国に向けた準備を進めた。
23日朝、船長と機関長と電話で話した那覇地区漁業協同組合の山内得信組合長は「船長から『全員無事だ』と報告を受けた。本当にほっとした。捜索に関わった皆さんに感謝したい」と胸をなで下ろした。11管によると、23日午後4時現在、第一漁徳丸は現場海域で船底を上にした状態で浮いている。24日午後2時ごろには那覇海上保安部の巡視船が現場に到着する予定で、第一漁徳丸の状態などを調査する。