米空軍は、北朝鮮から沖合へのミサイル発射が警告されている米領グアム島で、弾薬貯蔵量を前年比10%増の約680トンに増加させる。期限切れの弾薬などの入れ替えなどを含め弾薬が8月末から9月末まで海上から輸送された。グアム島の米空軍アンダーセン基地が明らかにした。北朝鮮を巡る情勢との関連については言及していない。
グアムの弾薬貯蔵の増加に関連して、在沖米空軍の嘉手納基地に嘉手納弾薬庫の貯蔵量について本紙が質問したが、「運用上の安全から、われわれが使命を遂行するための能力の詳細については答えられない」と内容は回答しなかった。
アンダーセン基地は「戦場での戦闘能力を支援するための『戦争備蓄資材』の貯蔵や、日々の訓練用資材で使える弾薬の量が増えることになる」と意義を強調した。訓練使用だけでなく、実際の戦闘での使用にも言及し、戦場使用も念頭に入れた貯蔵増をうかがわせた。
今回、9500万ドルに値する81万6393発の弾薬が運び込まれ、貯蔵された。弾薬の輸送に携わった第36弾薬中隊のエリック・シュミッド司令官は「部隊の使命は、勝利に備えるということだ。弾薬貯蔵を増やすことで、兵士らはさらなる能力を得られる。われわれが必要とされる場面で(実際に兵士や米軍機を投入する)『動的作戦』を支援することになる」と説明した。
北朝鮮はこれまで、グアム沖に中距離弾道ミサイル「火星12」の発射計画を表明している。北朝鮮のミサイル発射などを巡る情勢を踏まえ、米空軍と航空自衛隊は朝鮮半島沖などで合同訓練を実施した。その際米軍は、B1戦略爆撃機2機をグアムの基地から派遣した。